~Case:10~或る1日のお話・一翌日。午前7時41分。 リディアは支度を済ませ、眞那、花依と一緒に家を出た。 隣に住む理王を誘い学校へと向かう。 8時8分。 学校に着き、リディアは転入試験の為に職員室に。 手続きは既に理王が済ませてくれていた。 後は試験を受けるだけだ。 眞那、花依、理王は揃ってクラス ―2年7組― へ。 教室はいつものように賑やかで、窓際の一番奥 ―いわゆる“特等席”である― の辺りに数人の男子が集まってバカ騒ぎしていたり、その一方でアイドルやファッションの話なんかで女子が盛り上がっていたりしていた。 8時35分 会議が長引いたのか、10分遅れで担任が入ってくる。 ホームルームが始まり、近々ある生徒総会の詳細についての資料や、数日前にこの街で起こっていた交通事故に関しての警察からの情報提供を求める旨のプリントが配られている。 8時50分 1限目の授業 ―世界史―が始まる。 世界史の担当は担任のため、ホームルームからそのままの流れで進行している。 「ねえ、理王くん?」 「何ですか、眞那さん?ひょっとして・・・リディア様の事ですか?」 「――うん・・・大丈夫かな・・・?」 「大丈夫ですよ。歴史関連は確かに厳しいでしょうけど、問題はないと思いますよ。」 「そっか・・・」 「じゃ、終わるまでうまくいく事を期待するアル」 「・・・そだね。」 ―※―※―※― 午前11時50分。 リディアは試験を済ませ、図書館にいた。 本棚から持ってきた小説をぱらぱらと捲ってはいるが、どこか上の空といった状態に近い表情をしていた。 (ちゃんと見直しもしたし・・・ミスはないよね・・・) 多少は分からない部分はあったものの、失敗はなかったはず―― それでも不安も少なからずある。 その思いが、その表情を形作っていた。 (合格できたらいいけど・・・) ―※―※―※― |